気管支バルブ治療情報サイト

pulmonX
文字サイズ:

COPDと治療法

肺のつくりと横隔膜のはたらき

肺は「肺葉」とよばれる5つの部屋に分かれています。
肺の下には、肺を支えるように「横隔膜」があります。

横隔膜が上がったり下がったりすることで、胸腔内(胸の中)の圧力が
変化し、肺が膨らんだり、縮まったりします。

肺胞のはたらき

肺は、酸素をからだの中に取り込み、二酸化炭素をからだの外に出すはたらきをしています。呼吸によって吸い込まれた空気中の酸素は気管を通り、
左右の肺に枝分かれした気管支、さらに細かく分かれた細気管支を通って、「肺胞」とよばれる空気が入った小さなふくろにたどりつきます。

肺胞では、毛細血管を通じて、酸素と二酸化炭素の交換が行われています。

COPDと主な症状

タバコなどの有害物質を長期間吸入することにより、細い気管支と肺胞が傷害をうけて、
息がはきにくくなる状態を「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」といいます。

傷害を受け続けた肺胞が壊れてしまうと「肺気腫」という状態になります。
肺気腫になると、酸素を体内にとりこむ能力が低下したり、吸った空気を十分に吐き出せなくなり、
肺に空気がたまってしまうことがあります(肺の過膨張)。

健康な肺の肺胞では、空気を吐ききることができるため、吸った空気が閉じ込められてしまうことはありません。

肺胞と肺胞の間にある壁が壊れて肺胞が異常に膨らんでしまい、吐ききれなかった空気が閉じ込められてしまいます。

肺の過膨張が起きると、健康な肺や横隔膜が圧迫され、うまく呼吸ができずに、息切れなどの症状が出ます。
肺胞は一度壊れてしまうと元には戻りません。

COPDの薬物治療と在宅酸素療法

薬物治療

狭くなった気管支を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬や気道の炎症をおさえる抗炎症薬などで息切れなどの症状を軽減します。

主な治療薬

はたらき 種類
気管支を広げる(気管支拡張薬) 抗コリン薬(吸入薬)
β2刺激薬(吸入薬、貼付薬、経口薬など)
抗コリン薬 / β2刺激薬配合薬(吸入薬)
炎症をおさえる(抗炎症薬) ステロイド薬(吸入薬、経口薬、注射薬)
気管支拡張薬と抗炎症薬の配合薬 β2刺激薬 / ステロイド薬配合薬(吸入薬)
抗コリン薬 / ステロイド薬配合薬(吸入薬)
抗コリン薬 / β2刺激薬 / ステロイド薬配合薬(吸入薬)
配合薬:はたらきの違う薬をひとつにしたもの。

在宅酸素療法

肺で酸素が十分取り込めず、慢性的な酸素不足になったときに、呼吸を楽にするために酸素を吸入しながら生活します。自宅に設置した酸素供給機器や外出時の携帯用酸素ボンベを使って高濃度の酸素を吸入します。

COPDの呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーション

息切れを改善して呼吸を楽にしたり、体力や気力を回復させるために行います。自宅や病院などで、健康状態や生活に合わせたプログラムを実践します。
呼吸リハビリテーションを続けることで、症状の悪化をおさえたり、
健康状態や生活をより良くすることが期待できます。

次のコンテンツ
肺気腫と治療法