気管支バルブ治療情報サイト

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気管支バルブによるBLVRを受けられた患者さまの声

「もう一度、好きなことを思いきり」
大野さんが取り戻した呼吸と人生

大野 弘之 さん

(インタビュー実施:2026年3月、兵庫県在中)

  • 「老後に楽しみにしていたゴルフや旅行がもうできないと思っていたんです。」

    そう静かに語るのは、71歳の大野さん。
    長年の喫煙歴を経て、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断されました。
    50代から「肺気腫だからタバコをやめたほうがいい」と言われながらも、日常生活は何とかおくれていたため、
    本気で向き合うまでに時間がかかったといいます。
    しかし、次第に状況は変わっていきました。

  • 「人に迷惑をかけたくない」 ― 行動が制限される日々

    気管支を広げる薬を使っていても、階段を上がるだけで息が切れる、入浴でもハァハァと荒い呼吸になってしまう、
    旅行では歩く場面を避け、車やバスの中で待機することも。
    「共同生活で人に迷惑をかけたらあかん、という気持ちが強かったですね」
    COPDは、“できていたことが、できなくなる” という形で、少しずつ生活の質(QOL)を奪っていくといわれています。
    特に大野さんにとってつらかったのは、大好きなゴルフでした。
    ラウンド中に呼吸が苦しく、声も出せず、力も入らない、途中でプレーを断念した日もありました。
    このことがきっかけで、次の一歩につながります。

  • 出会いが変えた選択肢 ― 気管支バルブ治療

    主治医から新しい治療を紹介されたことが転機になりました。それが、気管支バルブ治療です。
    この治療は、重症のCOPD/肺気腫患者さんに対し、内視鏡で気管支に小さなバルブを留置し、肺に溜まってしまった空気を排出することで、息切れの改善をめざすものです。
    外科的に肺を切除する手術とは異なり、低侵襲な治療として注目されています。
    大野さんは、主治医の丁寧な説明による治療への安心感と家族の後押しもあって、治療を受けることを決断しました。
    「ほんまに苦しかったから、治療して良くなりたいと強い意欲がありました。」

  • 治療後の生活 ― ゆっくりみえてきた変化と新しい日常

    術後すぐに劇的な変化があったわけではありません。1ヵ月ほどは違和感や息苦しさも残りました。しかし、ある日を境に変化が訪れます。
    「急に元気になった。不思議やけど、ほんまなんです。
    今は、階段を休まずに上がれる、息が切れても回復するまでの時間が早くなって、自分のペースなら10分以上歩きつづけられる」、「以前より劇的に良くなっていると思います。」と言われていて、ご家族も大変喜ばれたそうです。
    息苦しさに耐える姿を見ていたご家族にとっても、大きな安心につながりました。
    今では大好きなゴルフを思う存分楽しまれているといいます。

  • 大野さんからのメッセージ ― 治療を検討されている方へ

    「何かしたい、どこかへ行きたい、続けたい趣味がある人に、とても良い治療だと思う。
    散歩でも、旅行でも、孫との時間でもいい。“ありたい自分” でいたいという気持ちが、
    前向きに治療の検討を医師と相談する後押しする力になる」
    ―そう語ります。

  • 主治医のコメント

    COPDは進行により息切れが強くなり、日常生活の活動が制限されてしまう病気です。
    気管支バルブ治療はすべての患者さんに適応となるわけではありませんが、呼吸の負担を軽減し、生活の質の改善が期待できる可能性のある治療選択肢のひとつです。不安や疑問に丁寧に向き合いながら、患者さん一人ひとりに合った治療を一緒に考えていきたいと思います。
    大野さんは、県外から初めて気管支バルブ治療目的に当院に受診された患者さんで、受診にもご苦労があったと思います。
    初診時から治療直後、そして初回外来まで症状が徐々に改善していく様子を拝見し、主治医として大変うれしく感じました。

    このインタビューの内容がすべての患者さんにあてはまるものではありません。
    個々の患者さんによって適切な治療が異なるため、必ず医師とご相談ください。